2019年、働き方改革がスタートする。
新年おめでとうございます。
今年もできる範囲で、記事を書いてゆきたいと思います。
さて、今年は労働法に関して大きな改革がスタートします。
「働き方改革」です。
私なりに、各内容について感じたポイントを書いてみます。
同一労働同一賃金は結構インパクトがある。
法律面の細かい内容は、多数の書籍などが出ていますので、
そちらを参照していただければと思います。
【ポイント】
1、従来のパートタイム労働者に加え、有期雇用労働者、派遣労働者も
均等待遇、均衡待遇の対象となる。
2、基本給のみならず、昇給、賞与、各種手当、教育訓練、福利厚生も
同等で無くてはならない。
3、均等待遇、均衡待遇が適用されるかどうかのポイントは、
職務内容、配置の変更範囲が通常労働者と同等かどうか。
1は、従来パートタイム労働法により均等待遇、均衡待遇が規定されていた部分が、
「パート・有期労働法」と改められ、期間労働者も対象となる。派遣についても、
「新労働者派遣法」により適用される。
尚、派遣について気になるのは、派遣先が派遣元に、比較対象となる通常の労働者の賃金等待遇の情報を提供しなければならないとなったこと。
平たくいえば、派遣先正社員の給与金額について、派遣元へしっかり情報提供しないと
派遣さん使っちゃだめだよ、ということ。
正確に正しい情報が伝えられるのか、という事と、余計な情報を伝えたくない派遣先からの抵抗が予想される。
やっかいな手間が増えたな、と感じる派遣元は多いはずだ。
2は、待遇を同一にするのは、基本給だけでなないですよ、ということ。
パートさんにボーナスを支給している会社がどれくらいあるだろうか?
ここは結構インパクトがある部分。
手当については、精勤手当を一律に支給しないことは不合理であると認められた判例があるので、影響は少ないのではと見ています。(家族手当、住宅手当、役付け手当などは、同等に支給しなくても良い可能性がある。)
ちなみに、定年後に嘱託社員等で再雇用する社員についての労働条件のダウンについても、認められている判例があるので留意をしておきたい。
最後に、同一労働同一賃金ガイドライン(案)では、能力開発の機会の提供について
わざわざ重要であると明記しています。
この辺はキャリアコンサルタントの活躍機会の拡大につなげてゆきたい。
正社員と同じ人事発令には対応できない!!
最後に3について。
パートタイムや派遣で働く人の大半は、正社員と同様の勤務ができないので、
その雇用を選んでいる人がほとんど。
つまり、職務内容、配置の変更範囲が通常労働者と同様に対応できない人がほとんどではないか。
例えば、子供がまだ小さいため夜遅くまで働けない主婦パートさんに、
遅い時間のシフトに入ってほしいというのは無理な話である。
その点をもって、職務内容、配置の変更範囲が通常労働者と同様でないと
判断することができてしまう。
同一労働、同一賃金の抜け穴になりそうなポイントです。
むしろ、この規定は、正社員と同じ働き方ができるのに、企業側の人事政策で、
契約社員や嘱託社員などでやむなく働いている人には朗報と言えそう。
同一労働同一賃金スタートへの時間はありそうで、あまり無い。
法律の施行日は、大企業は平成32年4月1日、中小企業は1年遅れの同日です。
まだ、期間はありますが、社内規定の整備などを考えると、
あまり十分な時間ではありません。
特に、社員の多くをパートさんに頼っている中小企業は多いと思われますので、
早い段階で準備を進めたいところ。
キャリアコンサルタントとしても、職域をひろげるチャンス。
今から知識を深めておきたい。
以上