転職で何を重視するかは、
人それぞれである。
一ついえることは、
自分の希望と、市場のバランス
を俯瞰してみることは大事です。
ある相談事例から、そのことを書いてみます。
人材紹介の利用法についてはこちらの記事もオススメ⇊
この記事の目次です⇊
人材紹介で残念な瞬間
人材紹介の中で
残念だなぁと思う一つの瞬間は、
「話を聞いてくれないとき」である。
先日、
医療従事者(国家資格職)の女性から
このような相談を受けた。
「毎日17時半に上がれる仕事に就きたい」
そんなに早く上がりたいのは、
何か理由があるのか?
と尋ねたところ、ただ
「自分のワークライフバランスを重視したい」
との回答だった。
自分が働く業界の今を知る
コロナ渦の中病院での感染を恐れ、
重度な症状でなければ、
受診を避ける傾向が顕著だ。
調査によると、
都内の調剤薬局の5月の処方箋応需枚数は、
前年と比べ25%のマイナス。
最前線の救急病院などは別だろうが、
街の医院や薬局は、まだまだ通常には戻っていない。
人余りの状況が続いている。
自分の市場価値を確かめる
先ほどの女性の希望だが、
今の状況では市場価値が低い
と言わざるをえない。
その方の希望する医療機関では、
夜の時間の人手が足りないのが常識。
女性が多い職種のため、
子育てで遅くまで働けない方が多いためである。
そこを埋める事に市場価値が生まれるし、
選択肢も増える。
時給なども交渉がしやすくなる。
条件緩和は求人のごり押しでは無い
このようなとき、エージェントは
「転職条件の緩和」を試みるのだが、
一切話を聞いてくれない人も多い。
妥協するくらいなら、焦って転職しない、
という方。
また、緩和した条件で求人をごり押しされ、
無理に転職させられるのではないか、
と思われているふしも感じる。
子育てや介護、持病を持っており
通院の必要がある、
などの事情は仕方ないことである。
しかし、特段の理由もなく、
時間などに制限を設け絶対に譲らない姿勢を見せるのは、
単なるわがままである。
転職に対する考えは、本人の自由ではないか?
と思われるかもしれない。
確かにその通りだけれども、
採用する側の立場に立って
考えてみることも必要だ。
私が言いたいのは、
本人にとってもデメリットが生じることと、
エージェントを使う時点で
実は自分の希望に
無理があることはわかっているが、
聞く耳をもたないで、
壁を作ってしまっても何の
得もないということである。
転職希望条件を設定する際の考え方
働き方に制限をかけるという事は、
だれかがその穴を埋めているわけであり、
その人の存在価値は相対的に下がる。
エージェントは、市場をよく知っている。
毎日50~100件くらいは
企業に電話をしているので、
否が応でも、
市場の変化や企業の声を感じ取れるからである。
エージェントに対して、
ただ求人を紹介することだけを望む方もいます。
その辺はこの記事に書きました⇊
もしかしたら、
エージェントの利用で
過去に嫌な思いをしているのかもしれない。
しかし、
エージェントの生の情報を活用しない手はない。
是非、フラットな気持ちで、
情報を吸い上げてもらいたいと思うのです。
ここだけ読んでもOKなまとめ
残念な転職にならないように、
転職条件を設定する際に考えてほしいこと。
① 自分の市場価値を知る。売り手?買い手?希望は通りやすいのか、通りにくいのか。
② 希望を通してもらうということは、誰かが肩代わりすること。会社からみた存在価値は相対的に下がる。
③ 転職条件を狭めると、選択肢が減る。選択肢が減るということは、内容の良くない会社に入ってしまう可能性が上がる。
④ エージェントの情報を活用する。エージェントは日々大量の生の情報に触れている。
⑤ 「妥協するなら無職を選ぶ」は危険。例え国家資格職であっても、ブランクはキャリアにとってマイナス。
話を聞いてもらえなかったことは、
「ラポール形成」が不十分であったことも
一因かなぁと反省もする。
人材紹介エージェントは、
毎回顧客が変わる。
そこに面白みもあり、難しさもある。
何年やっても悩みが消えない仕事である。
転職に関する過去記事です⇊