前回の記事で、
薬剤師の転職市場は縮小し
50代以上の転職の厳しさを
書きました。
反対に、「今だ」といわんばかりに
若手薬剤師を求める企業は増えています。
好待遇で転職するには
よいタイミングといえる
かもしれません。
しかし、
市場の追い風にのって
軽々と転職してしまっても
よいのでしょうか?
今回は、20代~30代の
若手薬剤師のキャリア選択
における注意点をまとめます。
薬剤師の転職に関する過去記事はコチラ⇊
この記事の目次です⇊
20代~30代薬剤師が好条件で転職できる背景
薬剤師の転職市場が
縮小した理由については、
前回の記事をご覧ください⇊
調剤薬局の市場は、
コロナの影響で
縮小しています。
薬剤師需要全体のパイも縮小したなかで、
若手薬剤師の積極採用を進めるのは
以下の理由があります。
1、長期的視野で教育できる
長らく調剤薬局、病院は
薬剤師不足でした。
それがコロナの影響による
市場縮小というかたちで思わぬ
解消をみました。
今までは目先の人出が足りないので、
「薬剤師免許を持つ人」であれば、
大げさに言うと誰でもよいという
側面がありました。
その緊急性がなくなったので、
薬局としては、長期的目線で
人材採用をできる余裕が出てきたのです。
20代~30代の若手を
採用するというのが
自然の流れです。
2、所属薬剤師の年齢構成の組み換え
簡単にいうと、
年齢が高く給与も高い
薬剤師をリストラし、長期目線で育成でき、
年収が安い若手薬剤師へ入れ替えを
図るということです。
薬剤師不足から、
スキルの見合わない薬剤師でも
高給で転職できてしまったゆがみが
表れてしまっています。
背景には、
人件費ダウンの目論見があります。
薬局からすると、収益減におちいるなか
コストダウンは避けられません。
動きがよく人件費ダウンにもつながる
若手に目がいくのは当然といえます。
3、在宅業務の広がり
薬局の在宅業務は、
移動に使う体力はもちろん、
重い輸液を運んだり、
何かと体力を使います。
当然若くて元気な
20~30代の薬剤師への
需要が高まります。
また、
ITリテラシーもポイントです。
在宅業務で外に出た際は、
iPadで記録を付けている薬局もあります。
更に、オンライン服薬指導など、
薬局業務もITに頼った仕事
が増えることが予想されますよね。
デジタルネイティブといわれる
若手への期待感が高まっている
一つの要因です。
20代~30代薬剤師が転職する際に気をつけてほしいこと
今まで書いてきたとおり、
20代~30代の転職を希望する
薬剤師には追い風が吹いています。
給与テーブルが決まっている
大手チェーン薬局では難しいですが、
中小の会社であれば、条件交渉も有利に
運べる可能性があります。
そんななかでも、
転職するときに注意してほしい
3つのポイントを書いてみます。
1、紹介会社のあまい言葉に乗らない
紹介会社は若手薬剤師への
ニーズが上がっている
ことを肌で感じています。
中には、30代までであれば手数料率を
プラスしてもよいという薬局もあります。
必然、紹介会社は成約を決めやすい
若手は是が非でも動かしたいので、
バラ色の転職ストーリーを語る
エージェントもいるかもしれません。
そこには注意が必要です。
転職は、今の会社を辞める理由が、
転職先の会社で解決されるかが大事ですよね。
そこを見ないで条件だけで
転職してしまうことが
最も危険です。
私の経験でもいえるのですが、
転職スパイラルにはまってしまう
典型的なパターンです。
人材紹介会社の「ホントのところ」はコチラの記事を⇊
2、転職することで不満が解決されるか突き詰めて考える
転職を考えるということは、
それなりの理由があるからですよね。
特に、現職に不満があることが
多いのではないかと思います。
先ほども書きましたが、
転職先で感じていた不満が解消されないと、
安易に転職を繰り返してしまうことに
なりかねません。
例えば、小規模の薬局で働いていて、
残業が多いことが不満で転職を考えたとします。
その方の不満の解決方法としては、
残業が少ない、または残業があったとしても
法律の範囲内でしっかり管理されており、
きちんと手当が支払われる大手企業などへ
転職することが考えられます。
しかしながら、
目先の年収につられてしまい、
同じ小規模の会社に転職してしまったとします。
小規模の会社は人員に余裕がないので、
どうしても個人のマンパワーに頼る比率が高いですし、
労務管理も大手企業に比べるとやや甘い会社が
多いのが事実です。
本来解決したい不満を見失わずに
転職先を考えていくことは、
転職活動全体を通じて、一貫して大切なことです。
私の転職失敗談はコチラです⇊
3、自分の価値観を明確にしたうえで働き方を選ぶ
キャリアコンサルタントの勉強では初めに、
「自己概念」を学びます。
「自己概念」とは、簡単にいうと
「自分はなにものなのか?」
ということなんですけど、
キャリアの選択では、
以下の3つのことを
明確にすることで自分にとって正しい
選択に近づくことができます。
・自分は何に興味や関心があるのか
・自分が生きていくうえで大事にしたい価値観はなにか
・自分が得意としていること、やっていて夢中になれることはなにか
「興味・関心」、「価値観」、「スキル」の3つですね。
私も数年間ほんとに悩みました!
なんとなく自分に合う環境に
気づき始めていたのですが、
転職をすること=解決と思い込み、
結果短期間で転々としてしまった
時期があったんです。
その失敗の期間を経て、
キャリアコンサルタント、
人材紹介の仕事にたどり着きました。
自分ではわからない、、、
という方はぜひ一度キャリアコンサルタントへ
相談してみましょう!
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まとめ
20代~30代の若手薬剤師の転職に
おける注意点をまとめます。
・企業側には、採用コストが上がってでも若手を採用したいというニーズがある
・不満があって転職するときは、転職先でその不満が解消されるかを冷静に考えよう
・働くうえでの価値観や、自分は何が得意なのかを明確にしよう
・紹介会社には「売上第一」のエージェントが存在する。好条件を並べたあまい言葉には気を付けよう
今回は調剤薬局に絞って書きました。
調剤薬局は今後大きく変わってゆきます。
少なくとも薬剤師免許を持ち、
薬局で処方箋を待っていれば儲かる
時代は終わりかけていますよね。
市場の流れを読み、
いつの時代でも求められるスキル
を身につけておけば、
転職市場に左右されることなく
主体的なキャリア選択ができるのでは
ないでしょうか。
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