
こんにちは、
キャリアコンサルタントのキャリア応援隊長です。
最近、転職エージェントとして
大きく落ち込む出来事がありました。
それは「入社キャンセル」です。
転職活動を始める前に、自身の市場価値を
正しく理解することがどれほど重要なのか。
そして、それをサポートするのが私の役割で
あることを、改めて痛感しました。
これから転職を考えている方や、
同業のエージェントの方にとっても
参考になる内容だと思います。
(この記事は5分ほどで読めます。)
※クリックできる目次です⇊
始まりはとてもスムーズだった

ご相談いただいたのは、
50代医療職の女性(以下、Aさん)。
職種としての経験は長いものの、
これまで特定の施設のみで勤務されてきました。
「このままでは将来の選択肢が狭まるのではないか」
という不安から、新しい施設形態で経験を積みたいと
相談を受けたのが支援の始まり。
Aさんの年収は約600万円。
ただし、経験が長くても、
初めての施設形態に挑戦する場合、
年収が下がることが珍しくありません。
Aさんの場合、業界相場を踏まえると、
550万円程度 に下がることが想定されました。
初回面談でその点はしっかりお伝えし、
Aさんも理解したうえで転職に踏み出す意志を
確認できたため、支援を開始。
ただ一つ気がかりだったのは、
学生のお子様がいるため、
これから学費がかかることを懸念されていた点。
年収ダウンは避けにくいことを説明し、
理解いただいたと判断しましたが、
これが後の決断に大きく影響することになります。
内定獲得までは順調。しかし暗雲が…

転職活動は非常にスムーズに進みました。
3社の面接に進み、そのうち2社から内定を獲得。
1社は年収が高かったものの、
休日が少ないため辞退。
残る1社が最終候補に。
その企業の提示年収は想定通り 550万円程度。
時間外手当を含めれば実質600万円を超える見込みで、
さらに自宅から近く、休日日数も希望通り。
条件面では申し分ないと思えました。
「これはスムーズに受諾いただけるだろう」
と思っていたのですが、
ここから予想外の迷いが始まります。
安心した瞬間に訪れた落とし穴

返答期限は1週間以内。
しかし、Aさんはなかなか決断できません。
ご本人は前向きに決めたい気持ちが
あったように感じましたが、
ご家族の意見もあり、迷いが続きました。
企業にお願いして返答期限を1週間延長してもらい、
最終期限の朝、ようやく「内定受諾」のメールが届きました。
転職エージェントとして最もホッとする瞬間です。
あとは退職交渉がまとまれば、
入社までフォローするだけ。手数料も確定します。
しかし、退職交渉に入ってから4〜5日、
連絡が途絶えました。
こうした期間は、エージェントにとって
本当に胃が痛くなる時間です。
電話してもつながらず、しばらくして届いたメールには——
「入社をキャンセルしたい」 の文字。
肩がガクッと落ち、
胸の中に苦いものが広がりました。
入社キャンセルの要因は?

なぜ入社キャンセルに至ってしまったのか。
改めて考えると、次の3つが大きな要因だと感じています。
1. 市場価値と転職市場のギャップ理解が不十分だった
Aさんは素直に話を聞いてくださる方でした。
だからこそ、表面的には理解していても、
腹落ちできていたかというと不十分だったと思えます。
2. 転職の軸を正しく捉えきれていなかった
私はAさんの軸を「将来のために経験の幅を広げたい」
ことと捉えていました。しかし実際には、
「子どもの学費のために年収を落としたくない」
という思いも同じくらい強かった。
この点を見誤っていたと感じます。
3. 面接に進むことを優先しすぎた
通常は複数求人を比較しながら応募を決めますが、
Aさんは紹介した3件すべてに応募。
スムーズに進んだ分、最後にギャップが表面化
してしまった可能性があります。
【まとめ】今回の事例からの学び

今回のケースで改めて痛感したのは、
支援を急ぐのではなく、転職活動に入る前に
現実との擦り合わせを丁寧に行うことの重要性 です。
ただし、転職エージェントは常に競合と
"求職者を奪い合う構造"にあるため、
スピードとのバランスは永遠のテーマでもあります。
これから転職を考える方は、
自身の市場価値と転職市場の現実を
事前にしっかり把握すること が大切です。
エージェントを選ぶ際は、
良いことばかり言う担当者より、
マイナス面も率直に伝えてくれる担当者
のほうが信頼できます。
この記事が、
キャリアの転機に立つ
すべての方のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、
ありがとうございました。