
こんにちは、
キャリアコンサルタントのキャリア応援隊長です。
安定した職業として真っ先に浮かぶ医療関係職種。
高齢化が進む背景や、
資格・専門スキルが必要な職種のため、
「長く安定して勤められる仕事」と言われてきました。
ところが、世の中の流れが変わり、
たった一つの不安要素が浮き彫りになってきています。
それは、
「給料が上がりにくい」という点です。
2011年から医療職種の転職支援に携わる経験から、
どういうことなのか?を解説します。
この記事は以下のような方々のお役に立ちます。
・就職先を探している学生や既卒の方
・キャリアチェンジを考える異業種の方
・将来に不安を感じている医療職の方
(この記事は4分ほどで読めます。)
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高まる医療職へのニーズをデータで確認

初めに、
医療・福祉職への今後の需要について
データを確認してみましょう。
厚生労働省が発表した資料によると、
需要は確実に伸びる一方で、人材不足が懸念されており、
人材確保が最重要課題と位置付けられています。
【医療・福祉職種の人材見通し】
| 比較年度 | 2018年 | 2040年(推計) |
|---|---|---|
| 医療・福祉就業者数 | 826万人 | 1,070万人 |
| 総就業者数に占める割合 | 12% | 18~20% |
| 後期高齢者(75歳以上)人口 | 1,632万人※1 | 2,239万人 |
| 現役世代(25~64歳)人口 | 7,123万人※1 | 5,543万人 |
※参照元:厚生労働省「令和4年度 社会保障を支える人材の確保」資料より
※1:2015年の実績値
職種による差はあるものの、
人材供給が不足するのであれば、
通常は賃金や待遇が上がる方向に動くはずです。
薬剤師に見る一般職との時給比較

次に、私が専門としている薬剤師の時給と、
一般職の時給を比較してみましょう。
結論を先に述べると、
薬剤師にとっては残念な結果となっています。
東京の薬剤師の時給は 2,000円がベース。
16年間その推移を見てきましたが、ほとんど変化がありません。
では、東京の最低賃金の推移を見てみましょう。
・2002年:708円
・2025年:1,226円(約1.73倍)
都内の飲食系アルバイトの時給を調べてみると、
1,300円がだいたい下限です。
時間帯によっては1,700~1,800円の求人も珍しくありません。
インフレが進む中、一般職の時給は上昇しているのに対し、
薬剤師の時給はほとんど変わっていないことが分かります。
医療職の賃金が上がりにくい理由とは?

なぜ薬剤師の時給は16年間変わっていないのでしょうか。
その理由の一つが、
「値上げができない」構造にあるためです。
医療や薬の価格は国が決める公定価格であり、
事業者が勝手に値上げすることはできません。
昨今のインフレは、
人手不足による人件費の上昇、原材料高など複合的な要因があります。
しかし、インフレ基調に乗じた“便乗値上げ”が含まれていることも事実です。
大手企業の業績が好調であることや、
同種の商品(例:酒類)がメーカー横並びで
一斉に値上げされることからも明らかです。
まとめると――
一般企業は自由に値上げできるため、増えた利益を人件費に回せる。
一方、医療職はそれが難しい構造になっている。
ということです。
国が決める公定価格は2年に1回見直され、
薬価は1年に1回改定されます。
最近の改定では、
世の中の賃金上昇に合わせた項目も新設されています。
今後、医療職の賃金にどう反映されるかが注目されます。
【まとめ】仕事選びの重要ポイント

安定している医療職であっても、
賃金が上がりにくい可能性があることを説明してきました。
それを踏まえ、仕事を選ぶ際の重要ポイントをまとめます。
・業界構造や将来性を確認する
・公定価格が決められている職種は、賃金変化が世の中の流れに遅れやすい
・「安定を求めるのか」「成果が賃金に反映されやすい環境を選ぶのか」
自分の価値観を明確にすることが大切
この記事が、
就職や転職の岐路に立つ、
すべての方のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、
ありがとうございました。