
こんにちは。
キャリアコンサルタントのキャリア応援隊長です。
「まさかAIが決め手になるとは」——医療職の転職支援で起きた出来事です。AIと人間の役割が揺らぐ今、キャリア支援の未来を考えたい方に役立つ話です。
(この記事は6分ほどで読めます。)
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【遂に来た】転職エージェントがAI負けた瞬間

最近、40代の女性医療職の方を支援していたときのことです。
その瞬間、「遂にきたか」と感じざるをえない出来事がありました。
彼女は現職の人間関係に悩み、転職活動を進めていました。
経験は10年ほど。1社から無事に内定を獲得し、あとはご本人の決断を待つだけという状況でした。
内定先は給与アップを含め、条件面は概ね良好。
とはいえ、実際に働いてみないと職場の雰囲気はわからない——転職ではよくある悩みです。
彼女も最後の一歩を踏み出すかどうか、迷いを見せていました。私はいつも通り、急かすことはせず、本人が納得して決められるよう見守るスタンスを取りました。
数日後、連絡を取った際、彼女はこう告げたのです。
「チャットGPTに相談して、転職する方向へ気持ちが固まりました。」
AIの助言はこうだったそうです。
“今の職場に残っても人間関係の不満が解消される可能性は低い。ならば新しい環境を選ぶほうが良い。”
結果として私はAIに助けられ、手数料を得ることになりました。
しかし同時に、嬉しさと将来への不安が入り混じる、複雑な気持ちが残った出来事でもありました。
転職エージェントが持つ5つの機能

ここでは、伴走型転職エージェントが持つ機能を整理し、それぞれの機能がAIに取って代わる可能性を考えてみたいと思います。
【転職エージェントが持つ5つの機能】
1. キャリアコンサルティング機能
現状の整理、転職で解決したい課題の可視化、市場価値の確認、転職すべきかどうかの判断材料の提供など、方向性を定めるための支援を行う。
2. 求人探索・紹介機能
求職者の希望条件に合う求人を探し、紹介する役割。
3. 転職プロセス代行機能
書類選考のエントリー、面接日程の調整、結果の回収など、求職者に代わって実務を進める。
4. 条件交渉機能
給与や働き方など、求職者が望む条件に近づけるため、企業と交渉する役割。
5. 決断サポート機能
迷う求職者と状況を整理し、最終的な決断を後押しするプロセス。
代替されにくいのは、まず 3 と 4 です。
どちらも求職者と企業の間に立ち、直接コミュニケーションを重ねながら進める必要があり、AIがすぐに置き換えるのは難しい領域です。
一方で、判断が分かれるのが 2 の求人探索・紹介機能。
求人情報の収集や条件マッチングはすでに自動化が進んでいますが、定量的な条件だけでは不十分なケースも多いのが実情です。
企業の社風や、どんな人材がフィットするかといった“定性的な情報”は、担当者が直接コミュニケーションを取ることで得られるもの。
ここには、経験とセンスが求められる“職人技”のような側面があり、人間が優位性を保てる余地が残っています。
そして最もAIに代替されやすいのが 1 と 5。
いわゆる「相談系のプロセス」は、今後あらゆる業界でAIが担う領域が広がっていくと感じています。
今回の事例でも、まさに 5 の決断サポート機能 をAIが見事に果たしていました。
ただし、AIの助言は否定を避け、寄り添う傾向が強いため、つい従いたくなる一方で、すべてが正しいとは限りません。
その点は、利用する側も十分に注意が必要だと感じています。
対人相談系の仕事は生き残れるか?

今回の事例を踏まえて強く感じたのは、転職エージェントが望むかどうかに関わらず、求職者は私たちの知らないところでAIを活用するケースが、今後ますます増えていくだろうということです。
一つの大胆な考え方として、相談系の業務はAIが担い、転職活動の仲介業務は人間が担うという分業スタイルもあり得るのではないかと思っています。
そんな「思い切った分業」を掲げるエージェントが登場しても、おもしろい時代になるかもしれません。
では、人間である私たちはどうすればよいのか。
その答えの一つは、求職者にとって耳の痛いことも含め、本音で向き合うことだと考えています。
極端に言えば、あえて寄り添いすぎないことこそ、人間がAIに負けない価値になるのではないか——そんなことを感じています。
AIの進化は脅威でありますが、同時に”より尖った人間に成長すれば負けない”とも考えています。
人間にしか出せない“本音の関わり”を磨きながら、新しいキャリア支援の形をつくれるとよいなぁと思っています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
執筆者|キャリア応援隊長
◆転職エージェント歴16年、自らも転職を7回経験しています。
◆ストレスで1年未満で離職した経験あり。挫折の辛さを痛感しました。
◆自身の経験から「キャリアで悩む人の助けになりたい」とエージェントを志しました。
◆転職系メディアへの記事掲載実績があります。
◆国家資格キャリアコンサルタント、ジョブ・カード作成アドバイザーです。