こんばんは。
土日祝休みの方は、明日出勤すれば休みですね。
少し気持ちに余裕がある分、明日はノーブレーキでがんばります。
今回は、日本キャリア開発協会が発行する、
「JCDAジャーナル」No.74に掲載されていた、
NHK「ニュースウオッチ9」有馬嘉男アナウンサーと、
日本キャリア開発協会(JCDA)大原良夫理事長との
対談がなかなかおもしろかったので、取り上げます。
記事はこんな感じです⇊
目次です⇊
池上彰ばりに切り込む、有馬氏
世間のキャリアカウンセラー(キャリアコンサルタント)
への評価を代弁するかのように、ずばり切り込んでいく有馬氏。
一部ご紹介します。
キャリアカウンセラーは街の占い師?
■(司会)比喩になりますが、どちらかというと(キャリアカウンセラーは)
占い師のような存在かもしれません。どこにも紐づいていなくて、会社にも
家族にも相談できない時に頼る相手。そういう存在を目指しています。
■(有馬氏)なるほど、街の占い師ですか。ちょっと腹落ちしました。
たしかに、そういう人がいるといいですね。ただ、そんなどこにも
紐づいていない独立したキャリアカウンセラーから、どんな情報が
得られるのでしょうか。何か指南をしていただけるのでしょうか。
キャリアカウンセラーは占い師・・・
これは、大きな突っ込みどころを与えてしまいました。
人事や採用の課題解決に対して、企業が占い師にお金を払うことは難しい。
比喩だというのはわかるのですが・・・
有馬氏、更に鋭く切り込む
ここから、大原理事長の説明が続きます。
■(理事長)指南や教えるというスタンスではなく、その人ご自身の意思で
選べるように促します。
■(有馬氏)そうですね、自分の将来とキャリアは自分で決めたいです。
■(理事長)相談業務にはいろいろな考え方があります~中略~
助言や指導は、実はあまり役立っていないケースも多いのです~中略~
本当に大事なことは、その人が「自分が本当にやりたいことは何か」
を自分の経験から見つけ、自分のリソースを自分で整理して、
何をするかを自分で意思決定することです。~中略~
キャリアカウンセラーは、その人自身に「本当のありたい自分」を
知ってもらうため、まずはその人の経験をよく聴き、質問などの
問いかけをしていきます。
リソースの整理、シュロスバーグが出てきました。
傾聴から問いかけを行い、その人自身に気付きを得てもらい
意思決定してもらう。うまくまとめておられます。
しかし、有馬氏の鋭い切り込みは、残念ながら
キャリアカウンセラーが世の中ではまだ漠然とした
存在として認知されていることを、浮き彫りにしました。
大原理事長がキャリアカウンセラーへ苦言を呈す
続いて、大原理事長。
■(理事長)キャリアカウンセラーの大きな役割として、相談者という
個人と社会とを結びつける役割、あるいは橋渡しをする役割があります。
しかし、多くのカウンセラーは、どちらかと言うと個人にフォーカスする
割合が大きく、一方の社会を知ろうとすることにやや疎い面があるかもしれません。
~中略~
キャリアカウンセラー(キャリアコンサルタント)になる敷居があまり高くないので、
専門性という意味では、質にばらつきが出ている事は否めません。
有馬氏の見解は
■(有馬氏)キャリアカウンセラーに、それまで培った経験値や経験則、
あるいは人生哲学や生き様のストックがあるのであれば、それらこそが「社会」
であるように思います。
鋭い意見です。正論だと思います。
そもそも、キャリアカウンセラーと名乗り、他人のキャリアの支援をするのであれば、
人生哲学なり、経験値や経験則のストックが当然あってしかるべきと言っているようにも聞こえます。
まとめ
対談のほんの一部を紙上再現させていただきましたが、
有馬氏は、テレビ越しとはいえ、何百万人という視聴者と毎日相対している方だけに、
言葉が適切だし、本質を捉えていると感じました。
対談の最後で有馬氏は、
まだ、キャリアカウンセラーの実像を正確にイメージできていないと、
正直に感想を述べておられました。
また、同時に定年後のセカンドキャリアの問題に関心を
抱いているとも述べています。
キャリアカウンセラーが「街の占い師」だけでは寂しい気がします。
- 個人の転職支援が得意なキャリアカウンセラー
- 人事制度の設計が得意なキャリアカウンセラー
- 中高年のセカンドキャリアへのアドバイスが得意なキャリアカウンセラー
いろいろな強みを持ち、「人と組織」の周辺で活躍する
キャリアカウンセラー、キャリアコンサルタントがいてよいと思います。
熱い対談をありがとうございました。
JCDAジャーナルには、今後もこのような
興味深い記事を期待しています。
シュロスバーグの記事はコチラ⇊