こんにちは。
キャリアコンサルタントの「キャリア応援隊長」です。
「プロティアン・キャリア」という言葉をご存じでしょうか?
今や、キャリアコンサルタントにとって必修といっても
過言ではないくらい、重要なキャリア理論です。
しかし、私がCDA資格の勉強をしていた2009年頃は
テキストには載っていなかったので、後追いで知った
理論です。
それもあってか、伝統的なキャリア理論と比べると、
「どことなく怪しい」印象を抱いていました。
この記事では「プロティアン・キャリア」の内容
だけでなく、転機の場面での活用法まで解説し、
「プロティアン・キャリア」が怪しいものなのかを
解き明かしたと思います!
この記事は、以下のような方のお役に立ちます。
・キャリアコンサルタント試験の勉強をしている方
・キャリア理論に興味がある方
・変化の激しい世の中で生き残る術を知りたい方
・今いる組織の中でやりがいを見いだせない方
この記事の目次です⇊
<この記事を書いている人>
◆医療系転職エージェント歴12年、自らも転職を6回経験。
◆ストレスで1年未満で離職した経験あり。挫折の辛さを味わいました。
◆自分の経験から、キャリアで悩む方の助けになりたいとエージェントを目指す。
◆転職系メディアへの記事掲載実績があります。
◆CDA、国家資格キャリアコンサルタントを保有。
前回の記事はコチラ⇊
こんな記事もあります⇊
【プロティアン・キャリアは怪しい?】理論の内容を解説
「プロティアン・キャリア」は、1976年にアメリカの
ダグラス・Tホール教授によって提唱された理論です。
「プロティアン」とは、ギリシャ神話に出てくる
海の神、プロテウスの事です。
プロテウスは様々な物に変身する能力を
有していました。
プロテウスが変身するように「キャリアに対して変幻自在に対応」
するという意味で「プロティアン・キャリア」と名付けられました。
【プロティアン・キャリアの重要概念】
ホールは、キャリアを2つに分け定義しました。
・客観的キャリア:外から見える、履歴書に書ける具体的行動や地位など
・主観的キャリア:自身の価値観、態度、モチベーションなど
成功の基準は地位や名誉ではなく、自身の内面に感じる
「心理的成功」が重要であると説きました。
一つの組織に属し、その組織の中で成功することが
重要であった「伝統的キャリア」。
それに対して、仕事への満足度など自身の内面的な成功
こそが成功であると説いたのがホールの考え。
働く組織や役割が変化するのが当たり前で、
働く意味も多様化する現代にマッチする考え方と言えます。
これこそが「プロティアン・キャリア」の核となる
概念です。
【プロティアン・キャリアを構成する2つの要素】
プロティアン・キャリアを構成する
重要な要素が2つあります。
1つ目:「アイデンティティ」→自分は何がやりたいのか、大事にしたいことは何か
2つ目:「アダプタビリティ」→柔軟性、環境から学ぶ力
「アイデンティティ」は、仕事に対する
価値観と呼び変えるとわかりやすいでしょう。
そして「アダプタビリティ」こそ、現代社会において
重要な態度です。
新卒で入社した会社で出世を目指し、
「その組織内で求められる固有のスキル」を
獲得すればよかった時代は終わりを告げました。
では、新規学卒者は、入社した会社で何を
学ぶべきなのか?
それは、会社が変わっても食べていけるスキル、
実績を身につけることに尽きます。
組織や働く場所が変わることは既に
前提となっている時代です。
変わるときに求められる能力こそが
「アダプタビリティ」なのです。
【プロティアン・キャリアは怪しい?】転機での活用法を解説
では、「プロティアン・キャリア」の概念を活かし、
転機の壁を突破するにはどうしたらよいのでしょうか?
「アダプタビリティ」を中心に、役立つ考え方を
解説します。
「アダプタビリティ」を詳しく解説
「アダプタビリティ」を要素分解すると、
以下の考え方に分けることができます。
1、反応学習:変化する環境との相互作用の中で、新たな学びを得る
2、自身を統合する力:アイデンティティと変化する環境に対して
柔軟に行動することへの間にバランスを取り、モチベーション高く取り組む
3、アイデンティティの探求:アイデンティティは変化するものなので、
自分を知り、修正、維持することを怠らない
それぞれの要素は、キャリアの転機においてどのように役立つのか
例を挙げてみます。
「アダプタビリティ」を活用した転機突破の具体例
転機における具体的活用例を2つ挙げてみます。
具体例①:予期せぬ職種転換に遭遇した場合
予期せぬ配置転換があり、全くの未経験職種の
仕事をやらなくてはならなくなった場合。
それがやりたくない仕事であったとしても、
まずは何でも素直に吸収しようとする「反応学習」の
姿勢があれば、新たな楽しさを見出すことが
できるかもしれません。
具体例②:価値観に反する仕事を命ぜられらた時の場合
環境保全に関わることがアイデンティティの多くを
占めている人が、環境とは関係の無い仕事に
一時的に就くよう命ぜられた場合。
新たな仕事で得られるものの中に、
環境保全に活かせることはないか?と考え、
「プラス思考」で取り組むことで、更に
成長することができる。
このように「アダプタビリティ」という言葉を
知っているだけでも、転機に対する考えかたを
柔軟に、プラス思考に変化することが
できるのではないでしょうか。
【まとめ】プロティアン・キャリアは怪しくない!
当記事の要点をまとめます。
・プロティアン・キャリアは変化の激しい現代に即したキャリア理論である
・プロティアン・キャリアでは、自身の内面的成功を重要視する
・「アイデンティティ」と「アダプタビリティ」2つの構成要素がある
・「アダプタビリティ」とは環境に対して自身のアイデンティティ
を変化・維持させながら、柔軟に対応していくスキルである
この記事が、キャリアの岐路に立つ
方のお役に立てますと幸いです。
こんな記事も書いています⇊
【この記事の執筆者】
キャリア応援隊長(国家資格キャリアコンサルタント)
医療系転職エージェントで約12年間、1,000名以上の相談件数、350名以上の転職支援に携わってまいりました。キャリア相談、面接練習のお問合せはお気軽にご連絡くださ
い。
☆詳しいプロフィールはコチラ⇊(coconalaの紹介ページへ飛びます)☆
キャリア応援隊長さん(人材紹介・派遣営業職)のプロフィール | ココナラ (coconala.com)
■保有資格等■
・国家資格キャリアコンサルタント(登録番号:16124882)
・CDA(キャリア・ディベロップメント・アドバイザー)(登録番号:CDA138340) ・ジョブ・カード作成アドバイザー(登録番号:on17-00334)
・SynapseMarketingCollege/マーケティング・ベーシックス講座修了(2007年10月期)
・アサーティブ・ジャパン/アサーティブ・トレーニング基礎・応用講座修了(2020年11月・2021年2月)