オンラインでキャリアカウンセリングを行った。
凄い時代になったものだ。
電話と違い、相手の表情がわかるので心の動きが読み取れる。
相談ごとは時間がたつと温度感が変わるので、
時間と場所を問わずにできることは逆にメリットだ。
オンラインカウンセリングはこれからもっと
普及してゆくと痛感した。
相談内容
転職に関する相談。
2社から内定をもらい、どちらに入社するべきかで
男性は強く悩まれていた。
2社それぞれが全く異なる業界の企業だったため
難しい決断だと思った。
まずは傾聴、ラポールの形成。
価値観を明確にする、転職の優先順位をつける。
この辺はセオリーに沿った支援を実施。
幸い「話していると安心するんです。」という言葉をいただき、
気持ちの部分で少しは役に立てたのではと思う。
2社のうちの1社に入社すると後日メールでいただく。
ご自身で選択できたことは、
素直に良かったと思う。
関わり方を振り返る
私の持論ですが、
キャリア選択に正解はないと思う。
大事なことは、周りの意見が違っていたとしても、
自分の感覚に従い決断し前に進むこと。
しかしその決断が難しい、苦しい、悩む。
他の選択肢はなかったのだろうか?
この気持ちはキャリアカウンセリングを行う者として
必ずつきまとうものではないだろうか。
私はカウンセリングの中で第3の道を提示した。それは、
2社の内定を辞退し、転職をゼロからリスタートするというものだった。
もっと情報収集をすることで、別の選択肢が
見えることもあるのではないか?
相談者は一理あると言いつつも、無職になることを
とても恐れていた。
「長い人生の中でたった数カ月の無職だよ?」
「本当に納得のいく選択ができるのであればそれがなんなの?」
もちろん、キャリアコンサルタントとしては
そこまでは言えない。
一度選択したのであれば、後悔はしてはいけない。
後悔してしまったら、目の前のことに身が入らないから。
手っ取り早く逃げたいと思ってしまうし、また繰り返す。
選択に責任を持ち一心不乱に進むことが大事だと思う。
相談者の方は、そういった気持ちになれているだろうか。
そこにやや確信が持てないでいた。
今キャリアコンサルタントに足りないものは
「ねばならない」という気持ちは、
しばしば判断を狂わせる。
2つの選択肢から選ばなければならない。
そう考え自分を追い詰めると、視野が狭くなる。
第3の道は提示した。
でも、強く推すようなことはしなかった。
なぜか?
キャリアコンサルタントにとって、ロジャーズが説いた
「非指示的アプローチ」の影響は絶大だ。
※ロジャーズ理論の詳細はコチラ⇊
キャリアコンサルタントは傾聴に徹して、
相談者が気づくのを待てば良いのだろうか?
違うと思う。
キャリアコンサルタントが行うべきことは、
情報を与えること。選択肢を提示すること。
積極的に関与しなければ存在価値はない。
はっきりいうと、ただ話を聴くだけなら、
多少の知識さえあれば誰でもできる。
その点をそろそろ、
キャリアコンサルタントも気づかなければ
ならないのではないか。
必要とされるキャリアコンサルタントを目指す
キャリアコンサルタントには傾聴が最も重要であるという遺伝子が植え付けられている。
これはキャリアコンサルタントにとって大きな呪縛だと思う。
キャリアコンサルタントが国家資格となり時間が経ったが、
いまだ、社会に必要なインフラにはなっていない。
毒にも薬にもならないキャリアコンサルタントはいらない。
改めて、キャリアコンサルタントのあり方について
考えさせられるカウンセリングだった。
※過去記事です⇊