薬剤師の転職市場は縮小し、
膠着したままの状態です。
特に、
・50代以上の方
・40代以上で実務未経験の方
・時間や曜日の制限が多い方
以上のような方々が転職をするには
厳しい市場となっています。
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日々求人とやりとりするなかで
感じる今後の転職市場の見通しと、
希望に近い転職を叶える
4つのポイントを、
50代以上の薬剤師の転職に絞って
書いてみたいと思います。
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この記事の目次です⇊
薬剤師転職市場が縮小した理由
改めて、薬剤師の転職市場が
縮小した理由を整理します。
1、調剤薬局の収益減
新型コロナによる受診控え、処方の長期化が
調剤薬局の収益に打撃を与えています。
特に小児科、耳鼻科はかなり厳しく、
処方箋枚数が前年比5割くらいに落ち込んでいる
薬局も珍しくありません。
当然薬剤師の仕事は減り、
薬剤師が余っているという声も
聞くようになりました。
また、
年収の高い薬剤師を雇う余裕も
なくなってきているので、
必然的にベテランの薬剤師への
風当たりが強くなっています。
2、薬剤師の転職様子見の傾向
最近、薬局の人事担当者からは
「最近は薬剤師が辞めない」
と聞くことが増えました。
もちろん薬局にとって
人材が定着することは
よいことですが、
コロナによる求人の縮小を
感じ取った薬剤師が、
転職の様子見をしている
側面もあると思われます。
辞める薬剤師が減れば
求人も少なくなります。
3、薬局事務へのタスクシフト
錠剤のピンキングなど、
薬剤師以外でもできる仕事を
事務スタッフへシフトする流れ
が進んでいます。
薬剤師の対人
業務への集中が主な理由ですが、
薬剤師の人件費を事務スタッフの
人件費に置き換えることで
労務費を削減したい
という背景も見え隠れします。
50代以上の薬剤師が敬遠されてしまう理由
薬剤師の転職市場が
縮小しているうえに、
50代以上の薬剤師には
逆風が吹いています。
それなどのような理由からでしょうか?
まず、希望する年収が
高すぎることが挙げられます。
理由1でも書いた通り、
薬局の収益が厳しくなるなか、
今までのような高給を払うことは
難しくなっています。
50代以上の薬剤師の方は
「薬剤師転職バブル」の
真っただ中にいた世代。
現在の市場と希望条件の
ギャップが大きく、マッチング
しずらくなっています。
また、スキルに偏りが見られる
方もおられます。
在宅業務に対して経験がない、
または抵抗があり
やりたくないという方が
少なくありません。
しかし、在宅の実績が
調剤報酬の算定要件になるなど、
今の市場で働くにあたり、在宅業務は
避けて通ることができません。
この点は、逆に今やっておかないと
後々まずいことになると声を
大にしてお伝えしたいところです。
それくらい、
企業側のニーズはとても高いのです。
最後の要因は、
採用する企業側からみて
50代以上の薬剤師に対する
イメージが悪化していることです。
・実際のスキルに比例しない高給を希望する
・自分のやり方にこだわりが強く、薬局のやり方に従わない
・社歴が上の年下の薬剤師とうまくやれない
すべて、
実際に企業の人事担当者から
聞いた話です。
もちろん、
全ての50代以上の
薬剤師がそうだとは全く思いません。
ただ、人材を紹介しようとして
人事担当者へ電話をかけても、
電話口で50代と口にしただけで、
「いりません」と言われてしまうことが実際あるのです。
せっかくの良い人材が、
電話口だけで断られてしまうことは
とてももったいないです。
この辺は、
人材紹介会社のエージェントと連携し、
どのように自分を売り込んでもらえるかを
相談しながら進めるのがよいと思います。
50代以上の薬剤師が転職で成功するためのポイント
では、どうすれば50代以上の
薬剤師の転職は
うまくいくのでしょうか?
人材紹介会社の利用法も含め、
日々マッチングを行っている経験から
ポイントを挙げてみます。
1、今薬剤師に求められるていることを再確認する
薬剤師の働きかた、
求められる役割は大きく変わっています。
・在宅業務
・かかりつけの算定(研修認定薬剤師は必須)
・土日や遅い時間帯の勤務、オンコール対応
・店舗異動、他店舗のヘルプ
どれもきついこと
ばかりに見えますが。。。
現実です。
これらに加え、
2021年8月の改正薬機法により
「専門医療機関連携薬局」の認定が始まります。
それにより、がんに対する専門知識を持つ
薬剤師の重要性が増します。
市場に求められる薬剤師を再確認し、
自身のスキルを棚卸しましょう。
スキルが足りないのであれば、
今の環境のなかで経験してから
転職に踏み切ることがベストです。
2、希望条件を広めにとる
現在の市場のなかで、
50代以上の薬剤師が
狭い希望条件で転職することは
大変難しいです。
ただし、
1つ2つの希望条件を
やや広めにとることで
自身にマッチしたよい求人が
見つかる可能性は高まります。
例えば、年収は絶対であるならば、
通勤時間や業務内容の幅を広めにとる。
その逆もありです。
私がヒアリングをしていて思うのは、
条件を狭くしすぎているために、
紹介会社からも「支援不可能」
と思われてしまうケースです。
求人の探索すらできない薬剤師さんが
結構いるということです。
希望条件を伝えるときは、
絶対に譲れない条件と
相対的にみたときに妥協してもよい
条件を分けて伝えたほうがよいです。
エージェントの業界知識と
企業への打診力を利用し、
転職活動を有利に進めましょう。
3、地方での転職を検討してみる
転職市場の縮小は都市部ほど大きく、
地方にいきますと、まだ薬剤師不足の
エリアが多いです。
煙のように無くなってしまった
都市部の派遣求人も、地方では
レオパレスなどの住居付きで
出ているエリアがあります。
(時給はさすがに下がりましたが。。。)
家族がいたり、持ち家の場合は
難しいかもしれませんが、
都市部の「レッドオーシャン」に
こだわる必要がないのであれば
地方での転職は条件面で希望に
近い求人を出てくる可能性は高いです。
一都三県でいえば、
東京→23区以外の西部、立川周辺または以西
神奈川→横浜から西のエリア、横須賀、伊豆半島方面
埼玉→大宮より北のエリア、熊谷、幸手方面など
千葉→房総半島の南の方面
これらのエリアは好条件の求人が
出てくるエリアです。
4、ベテランエージェントへざっくばらんに相談してみる
紹介会社へは、
希望の条件を一方的に伝えるだけでなく、
自分の条件は今の市場にマッチしているのか?
とざっくばらんに相談してみるのがおすすめです。
その場合できれば、
売り手市場と現在を比較できる
経験値豊富なエージェントに
相談するほうが、実になる意見を
くれる割合が高いと思います。
まとめ
50代以上の薬剤師の転職に
おけるポイントをまとめます。
・都市部では薬剤師の求人が縮小し、薬剤師の売り手市場は終わっている。
・薬局の収益が厳しくなっていることは念頭においておきましょう。
・在宅、かかりつけ、がんに対する専門知識など、薬剤師に求められる
スキルは変化。そこで付加価値を発揮することが相応の年収を得られるカギ。
・希望条件は柔軟に考える。絶対条件と妥協できる条件を分けて、広い視野で求人を探しましょう。
・可能であれば、地方の転職も検討してみましょう。都市部より条件のよい求人が多く存在しています。
・ベテランの転職エージェントに、ざっくばらんに相談してみましょう。
客観的にみた自身の市場価値を尋ねてみて、転職市場に臨みましょう。
以上50代以上の薬剤師の転職のポイントについて
まとめてきました。
個人的にこういう市場のときは、
できればステイが望ましいと思いますが、
やむをえず転職に踏み切る方も
おられるかと思います。
今月からは医療従事者を皮切りに、
コロナのワクチン接種も始まります。
海外の接種実績からすると、
副反応も少なく
効果は見込めそうです。
夏から秋にかけては、
日本全体の医療や経済の新たな
見通しが間違いなく出てくると思います。
「転職市場」と「自身の価値」
をしっかりと天秤にかけることが、
良い転職の第一歩かと思います。
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