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ハンセンの統合的人生設計(ILP )【実務で使うポイントも解説】

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こんにちは、キャリア応援隊長です!

 

今回のキャリア理論解説は、サニー・ハンセンの統合的人生設計です。

 

かれこれ13年前、CDA 資格を取得するために勉強をしていた当時。

一番ピンと来なかったのがこの理論でした。

 

ところが、画一的なキャリア支援では対応できない世の中になってきて、ハンセンの統合的人生設計理論が、実は今しっくりきています。

 

また、サニー・ハンセンを知るには彼女がキャリアに興味を持つようなった背景

「BORN FREEプログラム」を知ることが必要です。

 

この記事を読むと以下のことがわかります。

 

  1. サニー・ハンセンはどんな人か(キャリアに興味をもつ生い立ち、背景)
  2. 「BORN FREE」プログラムの内容
  3. サニー・ハンセンが提唱した人生の4つの役割(4L)
  4. サニー・ハンセンの統合的人生設計の理論内容
  5. キャリアコンサルティング実務で使うポイント

 

是非最後までお読みください。

 

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目次です⇊

 

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サニー・ハンセンの統合的人生設計【ハンセンってどんな人?】

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サニー・ハンセンはアメリカのあまり裕福ではない家庭に生まれます。

ほとんど資金がない状況で奨学金制度を利用し、苦労して大学にも通ったようです。

 

サニー・ハンセンはノルウェー系アメリカ人をルーツに持つ、移民の血筋です。

 

そんなハンセンが友人とアメリカ南部を訪れた際に、その後の人生を変える大きな影響を受けます。

 

アメリカ南部といえば、かつて奴隷州が11州もあった、人種差別が色濃く残る地域。

 

ハンセンは自分のルーツと重ねました。

 

もともと社会問題に強い関心を持っていたようですが、

 

性別や血筋、出自などで人生をステレオタイプ的に決められてしまうことへの強い抵抗心を持ったようです。

 

カウンセリング・ガイダンスの博士号をミネソタ大学在学中に取得したハンセンは、キャリアカウンセラーとして活動を始めます。

 

サニー・ハンセンが統合的人生設計の前に指揮したBORN FREEプログラム

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サニー・ハンセンは1976年に「BORN FREE」プログラムを指揮するようになります。

 

「BORN FREE」プログラムとは、アメリカの多くの学校で取り入れられている教育プログラムです。

 

男女の違い、教育格差、移民などルーツの違いにとらわれず、「自由を手に持って生まれた一人の"人"」として人生選択の可能性を広げていこうという考え方です。

 

統合的人生設計が確立される20年前の話です。

 

この頃から、広い視野でキャリアを考える先見性が見て取れます。

 

2021年の現代。男女の役割や、性のとらえ方は多様であることは当たり前となりました。

 

45年も前に現代につながる考えを持っていたハンセン。

 

時代に流されない柔軟な考え方を持ち、おかしいことはおかしいと言える強さを持った女性だったのではないでしょうか。

 

統合的人生設計【理論の背景】

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ハンセンが統合的人生設計を提唱したのは1997年。

 

BORN FREEプロジェクトの考え方に加え、これから来る情報化時代に備えキャリカウンセリングは変わっていくべきだと考えていました。

 

ハンセン自身が以下のように語っています。

 

「私は、キャリア・プランニングや人生計画に関してはパラダイムシフトが必要だと考えています。

 

もちろん、人と職業の出会いに関する従来の、論理的で理性的な方法ー「特性因子理論」と呼ばれるーは今後も無くなることはないでしょう。

 

 しかし、国のレベルでも世界のレベルでも、労働や家族、教育、人口分布、あらゆる状況における男女の役割や関係などが社会の中で激変を遂げているので、キャリア指導の専門家は、クライエントの人生における複雑な選択や意思決定を支援する新しい方法を探さなければなりません。

 

また、環境問題や人権、多元的な文化、暴力など、各国が直面している問題は、キャリア・プランニングにも新しい基本的な考え方を求めています。

 

 今後は自分の満足や生計のための個人的な職業選択だけに焦点を当てるのではなく、意味ある人生のため、つまり自分にも社会にも役立つ仕事をするために一生に何度も選択していくということが重視されるようになるでしょう。

※日本マンパワー「キャリアカウンセラー養成講座」テキストより引用。

 

現代は企業の社会的責任が増し、各個人も自分一人や家族の満足だけを求めて行動することは許されない時代です。

 

SDGsや環境問題が代表的な例でしょう。

 

このように社会が変わることを予見していたハンセンは、キャリアプランニングも当然変わるべきだと言いたかったわけです。

 

サニー・ハンセンが提唱する人生における4つの役割

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ハンセンは、新たな概念「ライフ・キャリア」の中で人生設計において、

 

家庭における役割から、仕事、社会における役割までを盛り込み、包括的なアプローチでキャリアを捉えることを提唱しました。

 

人生の4つの役割(4L)です。

 

◆人生の4つの役割(4L)

1 仕事(Labor)

2 学習(Learning)

3 余暇(Leisure)

4 愛(Love)

 

これら4つの役割が、キルト(パッチワーク)のように織りなしていて、それぞれ濃淡があるものの、それ全体で一つを形成するとしています。

 

この直線的ではないまだら模様のキャリアの考え方がわかりにくいと感じる方も多いのではないでしょうか?

 

ハンセンの考え方を理解するには、以下に記す本人の言葉を読み解くほうがよりわかりやすいかもしれません。

 

◆キャリアプランニングに対する基本的な考え方の変革

  1. キャリアは一連の論理的な計画や意思決定の結果としてではなく、パターンの発展としてとらえるべきである。
  2. パターンとは、裁縫の型紙のことである。本来型紙は仕上がりが予想できるものであるが、新たなパターンは作っていく中で浮かび上がっていくものである。
  3. パターンは、予測不可能さを受容しながら、流動的にアプローチすることである。
  4. キャリアプランにおいては、自分ではコントロールできない範囲があることを認識しなければならない。
  5. 方向を修正しなければならない障害をつきもので、それによりキャリアは直線ではなくらせん状に進むと考えるべきである。
  6. このらせん状の動きは、仕事上の予期しない出来事の他に、仕事以外の考慮すべき人生の他の分野にも左右される。
  7. 人生における役割を細分化せず、統合と全体性を目指すべきである。

 

女性はこうあるべき、働き方はこうあるべき、という画一的な考え方は変化してゆく

 

だからこそキャリアプランは流動的に考えるべき、という考え方がよくわかりますね。

 

実際に現代では、以下のような変化が起こっていますね。

 

◆現代社会におけるパラダイムシフト

  • 場所や企業にとらわれない働き方。副業や在宅ワークの浸透
  • ワーケーションのような仕事と余暇の融合
  • リカレント教育の推進(社会人の学びなおし)
  • 休むことが当たり前の社会(有給休暇取得の義務化や男性の育休など)
  • 男性は外で働く、女性は家を守るという考えの変化
  • 子育てや家事の男女による共同分担

 

その時々の「仕事×人生を彩る多様な役割」が、

まさに「パッチワーク柄のキルト」という形容にあてはまっていると思います。

 

統合的人生設計の核となる6つの重要課題

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ハンセンはライフプランを構築するうえで、6つの重要な視点を提唱しています。

 

それぞれの視点を、現代の変化に当てはめてみました。

 

改めてサニー・ハンセンの先見の明には驚かされます。

(→以降は私のコメントです)

 

◆統合的な「キルト」を完成させるための6つの重要課題

1 グローバルな視点から仕事を探すインターネットの普及で世界中とつながる時代。


2 自分の人生を”有意義な全体”として織り上げる働く価値観の多様化。終身雇用崩壊、個々の考え方やプライベートを重視。


3 家族と仕事を結び付けるワークライフバランス、女性の社会進出、男性の子育て参加など。

 

4 多様性と包括性を重んじる外国人材の増加、ダイバーシティ、ジェンダーフリーへの理解。


5 内面的な意義や人生の目的を探る環境への配慮やSDGs。企業の社会的責任への比重が増す。職場を選ぶ上で、企業と自分の価値観の重なりを重視。


6 個人の転機と組織の変革に対処する転職が当たり前の時代。フリーランスや副業も増え、個人と組織の関わりが変化。

 

サニー・ハンセン登場前は、キャリアというと「仕事」、または「仕事」と「生活(家庭)」までを考えるのが従来のキャリア概念でした。

 

それでは足りなく、人生視点、世界視点まで含めたうえで流動的に選択をしなさいと、サニー・ハンセン氏は提唱したといえます。

 

これが現代の世の中に対する「サニー・ハンセンの統合的人生設計のフィット感」の正体です。

 

統合的人生設計を実務ではどう使うか?

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ホランドの3レターコードや6角形モデル(リアセック)は適性診断のようなわかりやすさがあります。

 

スーパーのライフキャリアレインボーも、横が時間軸、縦が役割の種類で、視覚的なわかりやすさがありました。

 

実際のキャリア支援での、ハンセンの統合的人生設計の使いどころはどういうときでしょうか。

 

例えば、以下のような課題を持つクライアントに対して有効でしょう。

 

  • 自分は何のために働いているのかが漠然としている
  • 人生の目的が明確でない
  • 仕事、家族、その他の要因における大きな変化に直面している

 

ハンセンの統合的人生設計は、キャリアのある時期に起こりえる特定の課題というよりは、人生・キャリアプラン全体という広い視野を持って用いるべき理論です。

 

人生に対する「根源的」悩みや、複数の要因によるキャリア変化の只中にいる方がキャリア全体を見つめなおす。

 

リスタートしてもらう支援の過程で人生の4つの役割(4L)と6つの重要課題を指針にして考えてもらう事が効果的ではないでしょうか。

 

恐るべし、サニー・ハンセン氏。

 

彼女の視線は、時代の変化の先の先を見据えていたのだと思います。

 

この記事が多くのキャリアコンサルタントの皆様のお役に立てば幸いです。

よければスターやブックマークをいただけますと嬉しいです!

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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